味を揃えない、という設計はどこから生まれたのか
前回で触れたように、
不耕起の揺れは
原料の性質として
確実に現れます。
ここで、
ひとつの選択を迫られました。
- 揺れを消すか
- それとも、受け入れるか
「揃える」ことは、正しい判断だった
一般的なビールづくりでは、
味を揃えることが
品質管理の基本です。
- 毎回同じ味
- 分かりやすい特徴
- 安定した評価
市場や流通を考えれば、
これは合理的で、
正しい判断です。
RIKKAも、
その選択肢を
何度も検討しました。
それでも残った、ひとつの違和感
しかし、
修士論文で向き合った
「成立しない年」の記録が、
頭から離れませんでした。
畑では、
- 揺れを前提に
- 失敗も含めて
- 長期で評価している
のに、
ビールだけを
完全に揃えてしまう。
それは、
畑との関係を
途中で切ってしまうように
感じられました。
味は、思想の最終地点
ここでRIKKAは、
こう考えるようになります。
味は、
単なる結果ではなく、
思想の最終アウトプットなのではないか。
- 農業の揺れをどう捉えるか
- 不確実性とどう向き合うか
- 制御しすぎないという姿勢
それらが、
最終的に
グラスの中に残る。
整えない、という勇気
もちろん、
何でも許すわけではありません。
- 欠点は修正する
- 飲みづらさは取り除く
- 安心して飲める品質は守る
その上で、
- 個体差
- 年ごとの違い
- 微妙な揺らぎ
は、消しすぎない。
これは、
簡単な選択ではありません。
説明もしにくく、
評価も割れます。
それでも、この道を選んだ理由
なぜ、この選択をしたのか。
答えは、
最初の話に戻ります。
「なぜRIKKAは
不耕起有機栽培で
ビールをつくるのか」
その問いに、
最後まで嘘をつかないためです。

