なぜこの思想は、市場では伝わりにくいのか | RIKKA

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なぜこの思想は、市場では伝わりにくいのか

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RIKKAがどのような考え方でビールをつくっているのかは
ひと通り書いてきました。

不耕起有機栽培。
毎年違う原料。
味を揃えすぎない設計。
自社製麦という選択。

ここまで読むと、
こんな疑問が浮かぶかもしれません。

それだけ考えているのに、
なぜすぐに評価されないのか。

市場は「問い」を買わない

まず、大前提として
市場は冷たい場所です。

市場が評価するのは、

  • 分かりやすさ
  • 即時性
  • 比較可能性

つまり、
答えの形になっているものです。

一方、RIKKAが提供しているのは、

  • 揺れを含んだプロセス
  • 未完成であること
  • 問い続ける姿勢

これは、
市場が最も扱いにくい要素です。

「良いこと」は、判断を先延ばしにする

不耕起有機栽培や
環境配慮について説明すると、
多くの場合、
肯定的な反応が返ってきます。

「素晴らしいですね」
「応援したいです」

しかし、その言葉の多くは、
行動を伴いません。

なぜなら、
「良いこと」は
今すぐ選ばなくても、
責められないからです。

修士論文が教えてくれた、市場との距離

修士論文では、
不耕起有機栽培の効果を
数値で検証しました。

そこで痛感したのは、
結果は常に文脈依存だ
ということです。

  • 年によって違う
  • 条件によって変わる
  • 単純比較ができない

これは研究としては誠実ですが、
市場にとっては不親切です。

市場は、
「条件付きの正解」を好みません。

比較できないものは、棚に置けない

小売や流通の現場では、

  • 価格
  • 容量
  • 味の傾向

が、横並びで比較されます。

ところが、

  • 毎年少し違う
  • 物語を知らないと伝わらない
  • 一言で言えない

商品は、
比較の土俵に上がりにくい。

これは、
品質の問題ではありません。

構造の問題です。

伝わらないのは、失敗ではなかった

ここで、
ひとつ大事なことがあります。

「伝わらない」ことは、
必ずしも
やり方が間違っている
という意味ではありません。

むしろ、

問い続ける姿勢を
そのまま出した結果、
市場の速度と合っていない。

それだけのことです。

それでも、簡単に整えなかった理由

ここで、
もう一度立ち止まります。

  • 分かりやすくする
  • 整える
  • 角を取る

これらは、
今すぐできる選択です。

それでもRIKKAは、
ここまでの思想を
簡単に捨てませんでした。

なぜなら、
第1回で掲げた問いに
嘘をつかないためです。

なぜ、不耕起有機栽培で
ビールをつくるのか。

市場と対立しない、別の立ち位置

RIKKAは、
市場と戦うつもりはありません。

同時に、
無理に合わせるつもりもない。

選んだのは、
少し離れた位置から
市場を見ること
でした。

  • 大きな声で主張しない
  • すべての人に届かせない
  • しかし、必要な人には深く届く

この連載そのものが、
その試みです。

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