第12回 RIKKAのビールを選ぶ人には、共通点があるのか
第11回で、
この取り組みは自分たちだけで成り立っているものではなく、
農家の方々や地域との関係の中で続いている、
という話を書きました。
では、その中でつくられたビールは、
実際にどんな人に届いているのでしょうか。
想像していた人たち
最初は、ある程度イメージがありました。
環境に関心がある人。
クラフトビールが好きな人。
新しい取り組みに興味がある人。
そういう人たちに届くのだろうと、
考えていました。
実際に出会った人たち
販売を始めてみると、
少し違う印象を持つようになりました。
レストランで飲んでいただいた方。
イベントで偶然手に取ってくれた方。
知人から紹介された方。

年齢も職業もさまざまで、
ビールに詳しい人ばかりでもありません。
印象に残っているやり取り
あるとき、
味について説明しようとしたことがありました。
どんな大麦で、
どんな製麦をして、
どういう意図で仕込んだのか。
一通り話したあと、
その方は少し考えてから、こう言いました。
「正直、全部はよく分からないんですけど、
なんか気になりますね」
その言葉が、
少し印象に残っています。
もう一つの場面
別の飲食店で提供していただいたときのことです。
料理と一緒に飲んだ方が、
少し間を置いてから、
「最初はよく分からなかったんですけど、
飲み進めると、なんか合ってきますね」
と話してくれました。
そのときに、
このビールは一口で判断されるものではなく、
時間の中で変わっていくものなのかもしれない
と感じました。
共通しているのは、理解の速さではなかった
このビールを選んでくれる人たちは、
必ずしも理解が早いわけではありません。
むしろ、
- すぐに分からなくてもいい
- 一度で判断しなくてもいい
そういう距離感を持っている人が多いように感じています。
説明しきれないことを受け入れている
このビールは、
一言で説明できるものではありません。
農業のこと、
製麦のこと、
味のこと。
それぞれがつながっていて、
途中で切り分けることが難しい。
それでも、
「全部分からなくてもいい」と
受け止めてもらえると、
関係は自然に続いていきます。
選んでいるというより、続いている
強い理由があって選ばれる、
というよりも、
一度出会って、
その後も少しずつ関係が続いていく。
気がつくと、
また飲んでもらっている。
そんな流れが多いように感じています。
こちらが選ばれている感覚
どちらかというと、
売っているというより、
関係を続けてもらっている
という感覚に近いかもしれません。
