すべての人に売らない、という市場設計
今回で10回になります。
前回は、
RIKKAにとって「売る」ことは
事業を続けるための実験でもある、
という話を書きました。
では、
もうひとつの問いが出てきます。
誰に売るのか。

最初は、多くの人に届けようとしていた
ビールという商品は、
日常の中で飲まれるものです。
だから最初は、
- 多くの人に知ってもらう
- 幅広く飲んでもらう
- 分かりやすく伝える
ことが大事だと思っていました。
しかし、続けるうちに
ある違和感が出てきました。
分かりやすくするほど、ズレていく
説明を短くする。
特徴をシンプルにする。
魅力を一言でまとめる。
そのたびに、
何かが削られていく感覚がありました。
不耕起の揺れ。
毎年違う原料。
味を整えすぎない設計。
これらは、
分かりやすさとは相性が良くありません。
すべての人に向けると、誰にも届かなくなる
市場には、
- 安定した味を求める人
- 分かりやすい個性を求める人
- 価格を重視する人
さまざまな価値観があります。
すべてに合わせようとすると、
結果として、
どこにも強く届かない商品
になってしまいます。
誰に売るか、ではなく
ここで考え方を変えました。
誰に売るか、ではなく、
誰に売らないか。
- 毎回同じ味を求める方には向かない
- 分かりやすい特徴を求める方には伝わりにくい
- 背景に興味がない方には必要のないビールかもしれない
そう考えるようになりました。
売らないことで、届く人がいる
この姿勢に変えると、
面白い変化がありました。
- 説明が長くても、最後まで読まれる
- 味の違いを楽しんでもらえる
- 価格ではなく背景の話になる
数は多くありません。
しかし、
長く続く関係が生まれるようになりました。
小さな市場を選ぶということ
すべての人に売らないということは、
市場を小さくすることでもあります。
けれど同時に、
その市場との関係は、
より深く、安定したものになります。
RIKKAは、
大きな市場を目指すのではなく、
必要としてくれる人に、
きちんと届く構造
をつくりたいと考えています。
