第13回 クラフトビールの「個性」とは何なのか

第12回で書いたように、
このビールは、一口で分かるものではないのかもしれません。
飲み進める中で、
少しずつ印象が変わる。
そんな感想をいただくことがあります。
個性は「分かりやすさ」なのか
クラフトビールという言葉には、
「個性」というイメージがあります。
強い香り。
はっきりした味。
一口で分かる違い。
それも確かに、
一つの個性です。
つくる個性
レシピや原料の選び方によって、
個性を設計することはできます。
どのスタイルにするか。
どのホップを使うか。
意図してつくる違いです。
現れる個性
一方で、
不耕起有機栽培の畑では、
毎年少しずつ違う状態が生まれます。
例えば、
同じ圃場でも、
- 気温の変化
- 雨の多い年
- 乾いた年
によって、
大麦の表情が変わる。
その違いは、
狙ってつくったものではありません。
揃えないという判断
その違いを、
どこまで整えるのか。
完全に揃えることもできます。
けれど、
あえて揃えすぎない、
という選択をしています。
強さではなく、関係としての個性
この違いは、
分かりやすい強さにはなりにくい。
むしろ、
- 飲み続ける中で印象が変わる
- 食事と合わせて感じ方が変わる
- 時間の中で少しずつ見えてくる
そうした形で現れます。
一度ではなく、関係の中で
一口で分かる個性ではなく、
関係が続く中で見えてくる違い。
それもまた、
個性の一つではないかと考えています。
